ペーパーマリオ オリガミキング 感想とか (レビュー?)

先月ごろに唐突に発売が発表されあっという間の2020年7月17日に発売された「ペーパーマリオ オリガミキング 」をプレイし、先日(20日ごろ)クリアしました。

私は「マリオストーリー」、「ペーパーマリオRPG」、「スーパーペーパーマリオ」以来のペーパーマリオのシリーズなペーペーなのでその視点から思ったことを書きなぐっていきます。

ネタバレはできるだけ無いように心がけますが、ちょっとあるかもしれません

結論

良くも悪くも癖のある通常戦闘のシステム故に「ゲーム」としての面白さは100点満点とは言い切れないものの、ゲーム全体の「作品」としての完成度や楽しさに非常に満足した。

パズル戦闘で頭を悩ませながらも解けたとき、アクションで攻撃を躱しながらハリボテを倒したときの喜び、パズルをこねくり回したり、個性的なキャラクター達のやりとりの楽しさ、ゲームを通して得られるこれらの純粋な体験はマリオの目指しているであろう誰にでも楽しめるゲームという製作者魂が現れているのではないだろうか。

 

某インタビュー記事で語られたような現ペーパーマリオシリーズ(マリオシリーズ全体かも?)のもつ制約の中で、新しく、面白く、かつ私のプレイ経験のある過去作の要素を取り入れようとしているし、その結果は完璧とは言えないものの十分に魅力を感じることができた。

ストーリー

全体の流れとしては主人公が悪役を倒すという最低限の筋書きに肉付けした感じだ。

主に導入のシーンだが、所々で唐突、説明不足な印象はあるものの、グッとくるシーンも幾つかあるし、私としてはエンディングがすごく気に入っている。

ストーリーを細かく分けて見たときには、全体的にお気楽でノリが軽い、喜劇調に進んでいくことが多いという印象を受ける。これがこの作品の楽しさという魅力の要因の1つだと思う。

また、個性的なキャラクターや表現の富んだテキストもこうした楽しさを支えている。

 

個人的に印象的なのは紙飛行機をボム兵で撃ち落とすシューティング風イベント。あまりの悪趣味さに笑うしかなかった。

バトル(通常)

オリガミキング の購入を検討している人がいた場合多くはここを懸念しているだろう。

このシステムは確かに手放しで褒められるものではない。

パズルを解く(円板を動かして敵を1列または2x2に並べる)ことができれば攻撃力がアップするが、もし時間内に解くことができなければ与えれるダメージは少ない。

加えて解けなかった場合には4体単位で登場する敵の3体以下にしか攻撃することができないため攻撃相手を倒すことができても端数が残り、そいつを倒すために余分なターンを重ねることになる。

 

また、経験値というシステムがない。戦闘で得られるものは「カミッペラ」というフィールドの穴を塞ぐアイテムと「コイン」だけだ。どちらもマップ上でそれなりに集めることのできるアイテムのため、敵を倒すことに直接的なメリットはない。

回避不可能なイベントバトルがそれなりにあるためそれ以外のフィールド上のエンカウントは適度にスルーしながら進めていく心持ちでプレイする方がよいと思う。

 

特定のステージには「マリオストーリー」や「ペーパーマリオRPG」のようにバトルに仲間が参戦してくれる。しかしこれらの過去作と同じく行動を指定することはできず、マリオの行動の後に自動で追加攻撃をしてくれる(しかもそれなりに不発になる)、というラッキーお助けアイテム状態のためこの要素に期待するとガッカリすることになる。

 

 

しかし私はこの戦闘システムをかなり楽しんだし、それなりに気に入っている。

(私がアホなだけかもしれないが)結構な場面で解き方がわからないことがある。そういったときにウーン🤔と唸り、いろいろ回したりスライドしたり試行を重ねるのが知恵の輪をガチャガチャと弄っているような楽しさだ。

時間内にわからなければコインを使って延長したり、それでもわからなかったら少しでも多くの敵に攻撃できるよう苦し紛れに3体並べたり、選択肢が多くて面白い。(3体並べたところで前述のように端数が出てしまうのだが...)

 

それにパズルが解けると敵を倒した訳でもないのに達成感がある。一度の戦闘でパズルを解いて達成感、敵を倒した時にも達成感。なんだかお得な気分だ。

 

そしてBGMがメチャクチャいい、ステージ毎に戦闘BGMに変化があり、敵はスルー推奨と書いたが私の場合は新ステージについたらこれを聴くためにそれなりにザコ敵とやりあった。(イベントバトルは専用bgmがあるのでステージ戦闘曲は聴けない)

また、今作はコインをうん千万単位で使うことが当たり前の超デフレ経済なので金策は実質経験値と思えばザコ敵に旨味0というわけではない....かもしれない

 

ボスバトル

めちゃくちゃ楽しい

どのような行動をとるマスを選ぶかという方策とそのマスに辿り着くまでどのようにルーティングするかについて自由に決めることができ、悩みたい放題だ。

 

とはいえ、ボスごとに効果的に倒すための行動の順序とどのつまり解法が決まっていて大抵はその順通り行動をとるよう終点マスを選ぶことになる。

それでもなおこのボスバトルが楽しいのは、そのヒントを得るためにもパネル上の指定のマスを通る必要があり、終点の行動マスを決めてもそこまでのルート上にいかにこのヒントをはじめとしたマリオにとって有利なマスを通れるかという道作りにいくらでも考えを張り巡らせることができるからだ。

 

 またボスバトルではステージ上の探索に使われるカミの手を攻撃にも使用する場合がある。このときのジャイロ操作でダメージを与えるのは自分の動作がボスへのダメージに直接効いているようでなかなか爽快で気持ちがいい。

 

文房具系のボスはそれぞれの文房具の特性を活かしたユニークな攻撃方法や、一発屋としての強烈なキャラクター性がとても魅力的で、これもボスバトルの楽しみの1つになっている。

そしてbgmがめちゃくちゃいい。

ステージ(グラフィック?)

舞台に個性が出始める青かみテープエリア(2ステージ目)以降は特にだが、非常に雰囲気が良い。wiiまでの三作しかやっていなかったため、ハードの進化に伴ってグラフィックが進化したことでペーパーマリオシリーズのステージ設計の真の魅力が発揮されたのか、今作の力を入れたポイントなのかはわからないが、とにかく雰囲気が良い。

 

ステージ上の建物、小物はペラペラのキャラともオリガミのキャラとも少し離れているがそのどちらが近くにあっても違和感の無いなんとも心地よいテクスチャで、ステージ毎に色合いに統一感があってそこを歩いて移動しているだけでも何となし楽しい。

 

その雰囲気を演出しているのもまためちゃくちゃいいbgmで、これ無しには成り立たない。

キャラクター

仲間キャラは戦闘では過去作経験者が期待するような動きはしてくれないものの、 ボム兵キノピオがフィールドを歩いてる時に相棒キャラ(?)のオリビアと喋ったりカメッククッパJrが会話してるのにほっこりするし、そのキャラが戦闘時にもついてきてくれるってだけでなんか嬉しい

 

BGM

めちゃくちゃにいい

戦闘を楽しくしてくれるのも、ステージの雰囲気を作り上げてくれるのも、全てこれが支えているといっては過言だが、それくらいに良い

 

歌メロが用意されてる歌モノ風曲が幾つかあったり、ディスコを盛り上げるためのレコードを4種類探すイベントにもそれぞれのレコード曲があったり、ゲームの戦闘や雰囲気を支えるだけでなく遊び心のある多様なBGM群がこの作品を通した体験を楽しいものにするための底上げをしてくれていると感じる

 

個人的にお気に入りの曲は「ムーチョのキノピサンドリア」と「ノリノリ穴あけフリーク」

 結論

冒頭の通り

私はかなり楽しんだし個人的にはかなりオススメ、個人的な立場を抜きにゲームとして考えたらそこそこおススメ、という感じです。

 

経験値、レベルのシステムがないため強い敵のようなものは設定できないのか、戦闘面でのやり込み要素はありません。

RPG、バトルものがやりたい人向けというよりは、パズルやアクション面が嫌いではなく、ペーパーマリオの世界観が好きな人向けかも

  

ペーパーマリオ オリガミキング -Switch

ペーパーマリオ オリガミキング -Switch

  • 発売日: 2020/07/17
  • メディア: Video Game